2014年7月31日木曜日

Harry Bertoia「Unfolding」

家具デザイナーとしても知られるアーティストが生み出した音響彫刻。人知を超えたところから発せられるピュアな音の響きは驚異的。CDのプロデュースは金野吉晃 a.k.a. Onnyk。

2014年7月30日水曜日

Blown Out「Drifting Way Out Between Suns (excerpt)」

頭がイカれそうな位にヘヴィでサイケデリックな一つのリフでひたすら延々と展開していく様は、Sleep「Jerusalem」と日本のサイケデリック・ロックが出会ったかのよう。こんなグレイトな曲を次々と生み出していくMike Vestは全くもって信じがたい男である。

2014年7月29日火曜日

Sugar「Copper Blue」

暗いムードの歌がもてはやされたグランジ全盛時代に、その真逆を行くかのように明るく爽やかなギターロックを展開したアルバム。Bob Mouldのまるで魔法のようなメロディセンスが全編に満ち溢れ、この作品を非凡なものにしている。時代と心中した「Nevermind」よりも遥かにリアルに響く傑作。

2014年7月28日月曜日

Catherine Christer Hennix「Chora(s)san Time-Court Mirage」

La monte youngとも交流のあった、スウェーデン出身の女流作曲家によるドローン。フィメール・ヴォーカルを駆使した、柔らかいサウンドに身も心も包み込まれていく。Eliane Radigue辺りが好きな人に。

2014年7月27日日曜日

Ketev「Golgotha」

Giacinto ScelsiからThe Doorsまでに影響を受けたベルリンの作曲家によるトラックは、人間の精神の暗部を描き出すかのようなダークな音響/インダストリアル。細部に至るまで作り込まれたテクスチャーに引き込まれていく。

2014年7月26日土曜日

John Cale「Stainless Steel Gamelan」

ヴェルヴェッツ以前に録音された実験的なアルバムから。Sterling Morrisonとのデュオによるこの楽曲は、不穏な空気の中で金属打楽器のような音を響かせ続けるミニマルなトラック。

2014年7月25日金曜日

Blind Idiot God「S/T」

80年代、Bad Brainsはパンクとレゲエをクロスオーバーさせた。このバンドはスラッシュ・メタルとサイケデリック・ロック、さらにはダブをクロスオーバーすることに成功している。Deadheaven辺りのファンに聴いてほしい。

2014年7月24日木曜日

Steve Vai「Flex-Able」

ハードロック・ギタリストという認識があるためか、前衛リスナーからは全くノーマークなアバンギャルド怪盤。冒頭のアシッドテイスト溢れるハードロック「Little green man」から、ラストの不協和音で彩られたギターソロ「Chronic Insomnia」までVaiの才気が漲っている。

2014年7月23日水曜日

AyGeeTee「65 76 FYI feedeearsmindouturlff 93 aygeetee mixamo」

ロンドンのビートメイカーによる、自身の音源のみを繋いだミックス。ノイズ/インダストリアルも飲み込んだエクスペリメンタルなビートを展開していくが、臨場感に満ちた立体的なサウンドに驚かされる。Boredomsファンにも聴いてみてほしい。

2014年7月22日火曜日

不失者「1991.9.26」

91年、渋谷ラママでのライブ。髪を振り乱し、信じがたいほどの轟音を浴びせる灰野敬二をカメラが捉える続ける。不失者だけでなく、日本のサイケデリック・ロックに興味を持ち始めた人に薦めたい。

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2014年7月21日月曜日

Peder Mannerfelt「Lines Describing A Circle」

インダストリアル/音響テイストのテクノながら、どこか端正な印象を受けるのはStefan Betke a.k.a. Poleによるマスタリングの成せる技か。Mika Vainioファンに聴いてほしい。

2014年7月20日日曜日

Angus MacLise「Tunnel Music, Pt. 2」

ヴェルヴェッツ初代ドラマーだった、伝説的パーカッショニストによる65年の貴重音源が発掘。しかも内容はLow Jackも使いそうな、アブストラクトかつパーカッシブな電子音楽というマニア悶絶の一品。

2014年7月19日土曜日

よりヘヴィかつ邪悪に…新たな次元に到達したElectric Wizard


  
 Text:堀 史昌 

先日、9月にリリースされる予定のElectric Wizardのニューアルバム「Time to die」に収録される楽曲「I am nothing」がオンラインで公開された。この世のものとは思えぬほどヘヴィで歪みきった煉獄のギターがサウンド全体を覆い、Jusはそのギターの背後で「俺は無なのさ」と呟くように歌う。女性ギタリストのLizが加入して10年、そして1stアルバムから在籍していた古巣のレーベルRise Aboveと決裂し、自身のレーベルWitchfinder Recordsを設立するという節目の年に、彼らは新たな次元へと突入したようだ。フロントマンのJus Obornはインタビューで新作は「Dopethrone」よりもヘヴィで邪悪なサウンドだと語っていたが、この「I am nothing」を聴く限り、正に発言通りのサウンドに仕上がっている。

チェルシィ「宇宙野郎」

暴力的なライブでシーンにその名を轟かせた京都のガレージ・バンド。全てを破壊し尽くすかのようなテンションの高さは、Masonna辺りのノイズファンにも味わってみてほしい。

2014年7月18日金曜日

Tru West「Love Trigger」

チョップド&スクリュードの流れを汲みながら、インダストリアル/ノイズの要素を加味し、ヴォーカルはデス声風という何とも10年代的なヒップホップ。Lil Ugly Mane辺りが好きな人に。

2014年7月17日木曜日

Astrobrite「All the stars will fall」

まるでMy bloody valentineがドローン/アンビエント的な方法論を用いたかのようなアルバム。流麗なギターと透き通るようなヴォーカルが一体となって作り上げるサウンドスケープが耳を捉えて離さない。

2014年7月16日水曜日

Guardian Alien「at Dunajam 2014」

9月に来日も決まったGuardian AlienのDunajam 2014でのライブ。海をバックに超人ドラマーGreg Foxは叩きまくり、Alex Drewchinの力強くも美しい声が木霊する。

2014年7月15日火曜日

Electric Wizard「I am nothing」

待望のニューアルバム「Time to die」からの新曲。「Dopethrone」時代を思わせる歪んだギターによる極悪なドゥームメタルに打ちのめされる。しかし、ここまでヘヴィなリフを奏でられるのは地球上で彼らしかいないだろう。

2014年7月14日月曜日

Augustus Pablo「Dub, Reggae & Roots From The Melodica King」

子供用の楽器だと認識されていたメロディカをダブ、レゲエに導入した男によるレーベル、Rockersのコンピレーション。哀愁を誘うメロディとアナログの柔らかなサウンドにチルアウトしてしまう。

2014年7月13日日曜日

Dälek「Untitled」

43分1曲のみの2005年に行われたセッションは、普段のDalekとは違う顔をのぞかせる。インド音楽、ドローンなどの要素を混じえたダーク・アンビエント的なサウンドはBongファンにも聴いてほしい。

2014年7月12日土曜日

Mike Vest (Bong、 11 paranoias、 Haikai no ku and more) インタビュー



  
 インタビュアー:堀 史昌 

  ヨーロッパでは高い評価を受けていながら、日本では全く伝えられていないアーティストがいる。今回インタビューを行ったMike Vestはその一人だ。サイケデリック・ドローン・グループBongをはじめとして、11 ParanoiasHaikai no kuBasillicaBlown OutNunなど数多くのプロジェクトで精力的に演奏をしているが、彼の活動を知っている日本人が果たしてどれだけいるだろうか。Mikeは多忙な合間を縫って、Facebookを通じてインタビューに応じてくれた。彼の活動を一早く、日本で伝えられることを誇りに思う。



私が知っているあなたの現在のプロジェクトはBongHaikai no ku Blown out Nun 11 Paranoias Lobster Priest Basillicaです。実際には、いくつのプロジェクトに参加しているのでしょうか?これ以外に参加しているプロジェクトがあったら、プロジェクト名とコンセプトを教えてください。

Mike: これ以外ではSpace VictimJackalというグループがあるね。全てのプロジェクトがここに載っている。

Bill Orcutt ‎& Chris Corsano「Untitled」

Harry Pussy譲りの暴発したエナジーが吹き荒れるノイズ・インプロヴィゼーション。中央線界隈を中心に活動していたグループ、スケーター商業の中心的メンバーによる九内デュオを思い起こさせる。

2014年7月11日金曜日

The Bug「Save Me' Feat. Gonjasufi」

9月の来日も決まったThe Bugの新作から。Gonjasufiをフィーチャーしたこのトラックは、太いビートがゆっくりと鳴り響く中、祈りにも似た神妙な男女ヴォイスが折り重なうように発せられる荘厳なダブステップ。

2014年7月10日木曜日

Madteo「We Doubt (You Can Make It)」

限られたワードを繰り返し反復し続ける男性ヴォーカルがクセになるアブストラクトなテクノ。Kraftwerk辺りのファンにも聴いてほしい。

2014年7月9日水曜日

Xoki & Hieronymus「Kula」

デンマーク・ダブシーンの気鋭プロデューサー・コンビによるトラック。Basic Channelの流れを組む正統派ミニマル・ダブ。Echochordファンはもちろん必聴。

2014年7月8日火曜日

Onna「Cortigiana Dal Velo」

画家/漫画家としてもカルト的な人気を誇る宮西計三によるサイケデリック・ユニット。今風にも感じられるスローな打ち込みビートの上で、マイナー調のギターと日本語を主体とした宮西の艷のあるヴォーカルとが戯れ合う。

2014年7月7日月曜日

Salem「Bow Down」

先月も紹介したトリオのミクステ。Chopped&Screwedから影響を受けたスローでグルーミーなサウンドはあまりにも10年代的である。Spaceghostpurrpファンにも聴いてほしい。

2014年7月6日日曜日

Drvg Cvltre「Never Stray From The Path」

Doomdiscoを標榜するオランダのDJ/プロデューサーによる10インチより。ゴルジェやインダストリアルファンにもアピールしそうな、強烈なヘヴィ・アシッド・エレクトロ。

2014年7月5日土曜日

Lord Echo「Bohemian Idol feat. Toby Laing」

ニュージーランド在住のマルチプレイヤーによるトラックは、ダブやファンクの要素を盛り込み、とろけるような甘いヴォーカルをフィーチャーした極上のダウンテンポ/バレアリック。Nightmares on waxファン必聴。

2014年7月4日金曜日

Sepultura「Roots」

Sepulturaが96年に放った最高傑作。ドゥームメタルとブラジリアン・トライバル・ミュージックを融合させたかのような実験的なサウンドは未だに聴き応えがある。韓国のJambinai辺りが好きな人は是非。

2014年7月3日木曜日

Vinyl Experience (11) 消えていったレコードショップと渋谷

Text:堀 史昌



これまでの連載ではアメリカ、イギリスを中心に海外のレコードのリバイバル現象を追ってきた。日本に関してはもう少し世界の状況を伝えてから扱う予定だった。しかし、先日のコラムでもお伝えした通り、HMV record shop渋谷がオープンするというビッグニュースが入ってきたため、急遽予定を変更して日本のレコード、レコードショップ事情について触れていきたい。

Alis「Apache (Ital Remix)」

ブルックリンのレーベルFifth WallよりリリースされたEPより。飛ばされること必至なノイズ含みのサイケデリックなテクノはヘヴィメタル的質感すら備えた凶暴なキラー・トラック。先日紹介したPerson of interestが気に入った人はぜひ。

2014年7月2日水曜日

Mohammad 「Samarina」

Panからもリリースのあるギリシャのトリオによる暗黒チェンバー・ドゥーム。チェロ、コントラバス、オシレーターが絡み合い、地層深くから響いてくるかのような低音ドローンはHaxan Cloak、Sunn O)))ファンに是非体験して欲しい。

2014年7月1日火曜日

Willis Earl Beal 「Take Me Away」

シカゴ出身のシンガーソングライターによるヘヴィ・ブルース。地鳴りのようなビートとドスの効いた嗄れたヴォーカルからは本格派の香りが漂う。

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