2014年8月31日日曜日

Birchville Cat Motel「55000 Flowers for the Hero」

ニュージーランドのワンマン・プロジェクトによるハーシュノイズとドローンを組み合わせた恍惚としたノイズロック。まるで宇宙の果てへ向かってかき鳴らされるようなラウドなノイズに圧倒される。

2014年8月30日土曜日

Brion Gysin「Pistol Poem」

拳銃の発射音と数のカウントだけで構成したミュージック・コンクレート。楽器を一切使わず拳銃の音を編集するだけで、ダブ的なサウンドを作り上げてしまうGysin恐るべし。

2014年8月29日金曜日

Usje Sukatma「Waiting For Your Love」

南米はスリナム在住のマルチプレイヤーが、80年代にオランダのレーベルからリリースしたカルト・ディスコ。DIY感満載のサウンドと、垢抜けない演奏から醸し出される独特の風味は他では味わうことが出来ない。

2014年8月28日木曜日

Tomas More「Break O Dawn (Madteo A Cracker Dawn Fascion House Mix)」

スローなサイケデリック・テクノを更にドープなトラックに解体したのはNYのDJ、Madteo。インダストリアル的な音響をバックに男性が低くくぐもった声で呟き続けるというミステリアスなサウンドは、フルクサス界隈の実験的な音楽が好きな人にも聴いて欲しい。これは強力。

2014年8月27日水曜日

Ciccone Youth「The Whitey Album」

マドンナのカバーからダークなインダストリアル、ポエトリー・リーディング、はたまた無音...ありとあらゆる音楽が現れては消えていく。様々な民族が入り乱れ、新しいカルチャーを日夜生み出していく、ニューヨークという場ならではの音のメルティングポット。

2014年8月26日火曜日

Edzayawa「Darkness」

ガーナのティーンエイジャーによる70'sサイケデリック・ファンク。ファンキーなカッティング・ギターとミニマルなパーカッションに、とても10代とは思えない声をした渋いヴォーカルが絡みつく。Stones Throwのファンクものが好きな人は要チェック。

2014年8月25日月曜日

The Space Lady「Greatest Hits」

チープなシンセサイザーの上で、Nicoを彷彿とさせるフィメール・ヴォイスが舞うローファイ・シンセ・ポップ。工藤冬里・礼子によるユニット、Noise辺りが好きな人に聴いて欲しい。

2014年8月24日日曜日

Rully Shabara dan Rudy Wuryoko「Pak!」

いよいよ来日公演が迫ってきたSenyawaのメンバー参加のヴォーカル×ドラム・デュオ。グラインドコアの暴発的エナジーが注入されたインプロヴィゼーションは、初期BoredomsやBrutal Truthなどを彷彿とさせる。やはり、インドネシアの即興シーンは要注目である。

2014年8月23日土曜日

Terekke「Yrlv」

まるで蜃気楼のように輪郭のハッキリしないテクスチャーのサウンドに、中性的なヴォーカルが挿入されていくロウ・ディープハウス。Sven Weisemann辺りのファンに聴いて欲しい。

2014年8月22日金曜日

Joe Meek & The Blue Boys「I Hear a New World」

The Beatlesに先駆けて実験音楽とポップスを交錯させた男。自由奔放に音と戯れる姿勢はSteve Vai「Flexable」のルーツのようでもあり、そのムーディなサウンドはQuiet Village「Silent Movie」のルーツのようにも感じられる。

2014年8月21日木曜日

Electric Wizard「SadioWitch」

ニューアルバム「Time to die」からシングル・カットされるチューン。「Witchcult Today」でいえば「Dunwich」のようなキャッチーな曲だが、抑制されたダークなトーンで全体が覆われている。

2014年8月20日水曜日

MF Doom「Special Herbs Vol 1-2」

長い時間鳴り響き続けるスクラッチの音が印象的な名曲「Saffron」から始まるビート集。1曲1曲の表情に変化をつけ、アルバムを通して聴かせる匠のサンプリング・センスが堪能出来る1枚。

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2014年8月19日火曜日

Aïsha Devi「Throat Dub」

注目レーベルDanse Noire第四弾は、設立者のAïsha自身によるEP。チベットのスロート・シンギングをフィーチャーしたドローンが、聴く者を別世界へと誘うドープ過ぎるトラック。Phurpa、Arrington de dionysoファン必聴。

ニューナンブ(8) 「光炎菩薩大獅子吼経」


Text:Onnyk

<今回は、Gモダーン30号に掲載するつもりだった文章を短縮して、書直している。というのもその号がいつ発行されることになるか、紙媒体か、ネット上かも不明だからだ。これも世情を反映している話である。モダーンミュージックの生悦住さんには了承をとっているし、いざ、掲載の折には、大分時間が経っていることを考慮して書直す予定である。では始めましょう。>


「あら、これって宮西計三の絵じゃない?

真っ昼間の、人通りの少ない飲み屋街を通り過ぎる中年の女性が二人、足を止めた。ごく普通のご婦人方である。ライブ会場に設定した店の前に貼ったチラシに、一人が反応したのだ。(なるほど、潜在的な宮西計三ファンはまだまだいるってことか)私は追いかけて行って彼女達を誘おうとしたのだが、残念ながら立ち去ってしまった。それは2010年の春のことだった。

2014年8月18日月曜日

Norbert Eisbrenner, Conrad Schnitzler, Sven-Ake Johansson「Mariental-Horst」

エレキギター、パーカッション、シンセサイザーの変則的な編成による即興演奏。カルトな実験音楽/ノイズ音源をアップロードし続ける、Dronemf.S氏辺りも好みそうなアブストラクトかつ奇怪な雰囲気にハマってしまう。

2014年8月17日日曜日

Derrick May 「Mix-Up Vol. 5」

初っ端のFruit LoopsからEarth People「Dance」と飛ばしていき、5トラック目のLil Louis「French Kiss」でいきなりピークに持っていくというアンチクライマックス的手法を用いたミックス。型に全く囚われずひたすら本能的、直感的にミックスする姿勢が痛快過ぎる。

2014年8月16日土曜日

Swans「Filth」

灰野敬二も最もヘヴィなサウンドとしてインスパイアされた1stアルバム。この重さは是非アナログレコードで味わってほしい。

2014年8月15日金曜日

Percussions「KHLHI」

Four Tet変名プロジェクト。70年代のソウルシンガー、Syreeta Wrightのヴォイスを巧みに盛り込んだディープ・テックハウス。Four Tetのサンプリング・センスに唸らされるトラック。

2014年8月14日木曜日

Lil Ugly Mane - End Ya Whole Shit [EXTENDED]

6月に10ヶ月ぶりにアルバムをリリースしたヴァージニアのラッパー/プロデューサーによるトラック。朝もやのような薄いサウンドを醸し出すシンセで全体を包み込んだアンビエント・ヒップホップ。

2014年8月13日水曜日

DJ Screw「Face Of A Desperate Man Feat. Spice 1」

Sunn O)))やSwamp Witchなどドゥーム・シーンからも一目置かれる、Chopped&screwedの始祖による01年のミックステープより。確かにスローなテンポとファットなビートによるサウンドは、ドゥーム・メタルに通ずるところもある。

2014年8月12日火曜日

Terry Riley「Keyboard Study 2」

まるでピアノでブラストビートを表現したかのような高速ミニマルが延々と続き、意識の変成を促していくディープなサイケデリック・ミュージック。

2014年8月11日月曜日

Vedda Music Workshop「Drumming No.1」

竹田賢一率いる即興演奏集団による1983年、京大・西部講堂でのライブ。メタリックかつミニマルなパーカションが淡々と鳴り響く中、小山景子のPatty Watersを思わせるダークなヴォイスが木霊する。その儀式的なセッションは、まるで新たな都市の民族音楽のようにも聴こえる。

2014年8月10日日曜日

Gilles Vignes + Cyril M「Untitled @villa des cent regards」

薄暗い野外で行われる何やら呪術的なインプロヴィゼーション。Cyril M.のサイケデリックなギターは次第に激しさを増し、会場をノイズの渦で巻き込んでいく。灰野敬二ファンに聴いて欲しい。

2014年8月9日土曜日

The Jesus and Mary Chain「Psychocandy」

神経中枢に突き刺さるかのような凶暴なノイズギターと、狂おしいほどにキャッチーなメロディの二律背反によって産み落とされたプレ・シューゲイザー・サウンド。裸のラリーズとMy bloody Valentineをつなぐミッシング・リンク的な作品である。

2014年8月8日金曜日

Yoshiwara「Amigasa」

フランスのレーベル、Ikebukuro Dadaより限定20部でリリースされたカセットから。間の取り方を含め、日本のノイズ勢からの影響を感じさせるノイズロック。高柳/阿部デュオ辺りが好きな人にも薦めたい。

2014年8月7日木曜日

Ray Terrace「I Make a fool of myself」

サバービア/フリーソウル・ファンのものだけにしておくのはもったいないブーガルー名盤から。甘くふくよかな男性ヴォーカルと軽快なラテンパーカション、そしてバックで小さく流れるハモンドオルガンによって作られる珠玉の一曲はArmando Trovajoli辺りが好きな人にも聴いて欲しい。

2014年8月6日水曜日

Gasper Claus 「Jo Ha Kyù out take - With Keiji Haino」

今年1月におんがくのじかんでCyril M.との凄絶なセッションを披露してくれたGasper Clausによるアルバム「序破急」のアウトテイク。時に優雅に、時に激しさを見せる灰野敬二とのデュオは生々しい録音によって臨場感を増している。

2014年8月5日火曜日

Grandmaster Flash 「Salsoul Jam 2000」

ヒップホップの始祖によるSalsoulオンリーのミックス。イントロから最後までの1時間、テンションを全く落とさずに、キープし続けるプレイに圧倒される。

2014年8月4日月曜日

Black Unity Trio「Al - Fatihah」

ロマンティシズムを湛えながらも、ひたすら激しく突き進まんとするハードコア・フリージャズ。Jooklo Duo辺りのファンに聴いてほしい。

2014年8月3日日曜日

Coaltar of the Deepers「Killing an Arab」

The Cureのカバーだが、原曲の面影がなくなるほどに激烈なデスメタル・ヴァージョン。Morbid Angel辺りのファンにも聴いて欲しい。

2014年8月2日土曜日

日野繭子「Mediator」

日本のノイズ・シーンを代表する女性アーティストによる初のソロアルバムから。空間を荒れ狂うノイズの、ダイナミックな音の響きに圧倒される。この容赦無い暴力性こそ日本のノイズの真骨頂。

2014年8月1日金曜日

Witchthroat Serpent「Gospel of the witches」

ヴォーカルが1stの頃のElectric WizardのJusにそっくりな歌い方をするフレンチ・ドゥーム。2011年に結成されたばかりらしいが、Cult of occultといい、フランスからは活きのいいドゥームメタル・グループが続々と登場している。